新しい年度を迎えた准学校心理士のみなさんへ

[2020.5.11]
准学校心理士資格認定委員会委員長
大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)

新しい年度を迎えた准学校心理士のみなさんには,今次の新型コロナウイルス流行に伴って各職場等での対応でお忙しい毎日を過ごされているものと推察してお ります。
折角「働き方改革」が提起されているにもかかわらず,各専門職者として働いているみなさんが燃え尽きないように(BURNOUT)いていただきたいと念じています。
そのためにどんなことが考えられるか基本的な方向性を参考までに考えてみました。

1)今,何が必要か?
こうなるといくつも出てきます。
当然優先順位をつけるが必要です
自分として考えた優先順位を仲間と話し合ってみる必要があります。
困ったことに仲間が目の前にいません。
メール等では誤解を生じます。
こうなると,zoom等のテレビ会議システムの活用が考えられます。

2)今,それができるか?
こうなるといくつかの代替案が必要となります。
あるいはそれができるまで持ち堪える策を講じることになります。
これも自分一人ではできません。
仲間と直接つながれないとすれば,媒介的にどう関わるか。
具体的に模索することになります。
しかも,「無料」で!
既にみなさんも試しているかも知れないSkypeは有力は媒介(media)になる得るかも知れません。

3)今,何故それか?
仲間と繋がるためにはこれがもっとも大切なことだと思います。
おそらくこれは各専門職者として働いているみなさんの存在理由やこれからのキャリア展望にも関わる重大な問いかけになるものでしょう。
答えも難しく,さらに共通性を探るとなると時間がかかるものです。
答えanswerられなくとも,応えresponseなくてはなりません。
だだ危機crisisにある今だからこそ,岐路turningpointでもあるのです。
今こそこの問題・課題・論題をテーマ化すべきでしょう。
コロナ以後の対人的な専門職(human profession)のあり方や存在根拠(レゾンデートルraison d’etre)は大きく変わるものと私は感じています。
とは言っても若い准学校心理士の方々には難しいものです。
だからこそ,みなさんの周囲にいらっしゃる先輩の方々が重要になるのです。

最後に,よく知られた井上ひさしさんの言葉をみなさんにお贈りします

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
そしてゆかいなことをあくまでもゆかいに

また私がよく行っていた,御茶ノ水のドイツビールの店には,次のような井上ひさしさんの色紙が飾られています。

得意泰然
失意平然