会長挨拶

日本学校心理士会
会長 山谷 敬三郎

 「学校心理士」の資格認定は,1997年度から日本教育心理学会の事業として開始されました。2000年度からは,日本教育心理学会の会員のほか,日本特殊教育学会,日本発達障害学会,日本発達心理学会,日本LD学会の会員も学校心理士の資格取得のための申請ができるようになりました。そして,2001年度からは,日本教育心理学会の事業から離れ,上記5学会による「学会連合資格『学校心理士』認定運営機構が資格認定を行うことになりました。また,2007年度からは,連携学会として日本学校心理学会,日本応用教育心理学会,日本生徒指導学会,日本学校カウンセリング学会が,さらに,2010年度からは,日本コミュニケーション障害学会,日本学校メンタルヘルス学会が参画することになりました。そこで,20011年4月からは,それまでの構成学会,連携学会の区別を廃止し,一般社団法人学校心理士認定運営として再スタートし,上記のすべての学会が関連団体として本機構の運営を支える今日の姿になりました。

 学校心理士認定運営機構が法人化される一方,スクールカウンセラー等の学校における児童生徒の援助を行う担い手の国家資格化が実現し,すでに学校心理士を取得されている方が「公認心理師」の資格を取得された方も生まれました。こうした動きを受けて,学校心理士資格認定のための新基準を作成し,公認心理師を取得した方にも「学校心理士」を取得する条件を整え,実際に受験,取得された方も生まれてきています。さらに,新基準では,教職大学院修了者への受験機会の拡充も行っています。

 学校心理士は,学校をその活動の中心の場として,児童生徒,保護者,そして教師に,その誕生の時期から関係する皆さんが共通にイメージしてきた「心理的支援に強い教育職」,「教育的活動を視野に入れた心理職」として生まれた資格と考えています。時代は,子供たちの心理教育的援助活動に様々な課題を投げかけてきます。「チームとしての学校」の一員として学校心理士の役割はますます重要性を増すでしょう。全国の皆さんとともにより一層の研鑽に励み,子供たちの健やかな成長に貢献していきたいと考えています。