准学校心理士の方へ



  ケースレポートに関する着眼点と簡単な注意事項について      [2019.10.21]

                          准学校心理士認定委員会委員長
                   大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)

みなさんは本年4月1日から准学校心理士資格を取得して6ヶ月が経ちました。
勤務されている実践現場について少しずついろいろなことが見えてきたのではないでしょうか。
ベテランはベテランで様々なことを見ているのですが、しかしみなさんの新しい眼で見えていることにはとても重要なことが含まれていると思います。
というのも、みなさんにとっては変なことは変ですし、納得がいかないことは納得できないからです。
これは当たり前のようですが、そうでもありません。
「変なこと」「納得がいかないこと」は現実の職場でゴロゴロしていますが、「まあ、そんなこともありうる」「現実はなかなか厳しい」と言った中間項に媒介されると、「変です」「納得がいかない」と言い切れなくなってしまいます。
こうなると今度は現実が実際に見えなくなってきます。
今しかない、あるいは今はかなり敏感な眼を持っているのだから、是非ともそれを突き詰めてください。
このことはもちろん糾弾し問い詰めることと必ずしも同じではありません。
自分に生じている経験や体験を先ず冷静かつ詳細に記述し、その上で現実全体を構造的に把握しようと努めること(reflection)です。
これがケースレポートに関する着眼点(出発点)というものです。
これさえ明確になれば、その後はスーパーバイザーの方の助言を入れ込みながら(consultation)まとめていくことになります。

なおここで念のため簡単な注意事項を書くとすれば、A4サイズ縦用紙(片面横40字×縦25行)10枚という必要条件(つまり40×25×10=1万字が基準)を厳守することです。
字数が少なければ当然記述が不十分との認定を受けることも出てきます。
ケースレポートは実質審査ばかりでなく、形式審査もあることに今から注意しておいて下さい。

みなさんの健闘を期待しております。
               

 この夏は何を研修されましたか                    [2019.9.5]
                           准学校心理士認定委員会委員長
                    大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)
9月に入りました。
まだまだ残暑が続いていますが,いかがお過ごしでしょうか。
日本学校心理士会では8月に聖徳大学(千葉県松戸市)で年次総会を開催し,千葉支部の皆さんの献身的な努力により多くの参加者を得て盛会のうちに終了しました。
また9月から各支部主催研修会も含めて多くの研修会が開催されます。
秋は研修の季節でもあります。
機構や士会のホームページを適宜ご覧いただき,各種各地で開催される研修会に参加して学校心理士の先輩の皆さんとご一緒に研修していただければ幸いです。
この際に准学校心理士のIDカードをお忘れなきようにお願いします。

就職されてもうじき半年になります。
ご自身がお勤めの各現場での課題や問題,論題を意識し,それらを明確化されましたか。
お一人では難しくとも同期の方や研究会等でお会いした同志方々との議論や話し合い,非公式の飲み会などでハッキリさせるヒントが見つかるかもしれません。
さらにこうした問題等を解くために何が必要かがわかれば,どんな研修会に出ればいいのかも明らかになります。
食欲の秋,学びの秋を楽しんでください。
       

  ケースレポートの準備に向けて                    [2019.8.8]
                           准学校心理士認定委員会委員長
                    大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)

皆さんは学校心理士資格取得に向けて計画的にこの3年間を過ごそうとしておられると思います。
その条件は以下の通りです。

1)1条校(学校教育法)または幼稚園・保育所等の保育施設で3年間専門的な実務経験を有すること。
2)学校心理士として機構や士会(支部研修も含む)の研修会に出席し,4年制大学卒業者にあってはAポイントを含む5ポイント以上を,保育等専門学校や短大の卒業にあってはAポイントを含む10ポイント以上を取得すること。
上記1)についてはすでにこの4月から学校や保育所等で勤務され,上記2)についてはこの夏の研修会(例えば千葉県松戸市にある聖徳大学で開催の日本学校心理士会年次総会) をはじめいくつかの案内を受け取っていることでしょう(このために皆さんの正確な住所が必要なわけです)。

ただこれらの条件は学校心理士資格認定「申請」の条件です。
この条件を満たしたうえで,ケースレポートを作成し必要な書類を整えて認定申請を行い,論述試験と多枝選択試験を受験して合格する必要があります。
これらのことについては,来年の日本学校心理士会年次総会等で詳しく案内をする予定です。
今から準備しておいていただきたいのは,ケースレポートに関することです。
手引きでは下記のような記載がなされています。


ケースレポートは,スーパーバイザーの指導を受けたケース(申請時直近5年以内のもの。ケースの実施期間の開始日または終了日が含まれていれば可)について学校心理学の観点から書きます。
大学院の授業(実習など)の一環として行われた実践も可とします。図表や参考文献・引用文献のすべてを含めて〈A4サイズ縦用紙(片面横40文字×縦25行)10枚〉とします。
スーパーバイザーの意見をどのように支援に活かしたのかについての具体的な記述が必要です。
なお,作成要領は「手引き及び申請書」に,ケースレポートの例は「学校心理学ガイドブック」に詳しく記載されています。


これは「ケース」を「レポート」として作成する際の説明で,皆さんにはわかりにくいことかと思いますので,上述の通り年次総会等で詳しく説明します。
ただし「ケース」がなければ,何も書けませんので,皆さんにはこれを今から思い定めてもらいたいのです。
今,皆さんは実践現場でご苦労されているのではないでしょうか。
日々生じている「ご苦労」で,これからのキャリアの為にこれは特に,じっくりと考えてみたいと思い定めている「事例」はありませんか。
もしあれば,そのことに関わるすべてをできるだけ詳しくメモしておいてほしいと思います。
これがケースレポートを作成する中心的な素材となります。
どのように形を整えて「料理」するか,誰に相談したらいいか等についてはその後のことで,また別の機会に説明します。
このメモは今更言われるまでもなく,皆さんは職務上やられていることではないでしょうか。
園児,児童,生徒等の理解や園児,児童,生徒等の指導に必要不可欠だからです。
皆さんの日々のお仕事でいくつもの「気になる」ケース等があり,これらの事態や指導の中から特にこれを詳細かつ正確に記述し,今後の実践に生かす,活かすために必要なものとなるのが「ケースレポート」であり, 学校心理士資格認定審査にはこの提出が求められているとお考え下さい。
どうか,今からケースレポートの準備を始めるようにおススメいたします。

       「准学校心理士」 2019 誕生記念シンポジウムへのお誘い  [2019.7.4]

                         准学校心理士資格認定委員会委員長
                    大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)

みなさんは,准学校心理士資格を取得されてはじめて「夏休み」を迎えられます。
既に就職されている方にとっては,夏「休み」どころの話ではないかと思います。
それでもここで心機一転,身も心もリフレッシュされることを願っております。

この夏,「准学校心理士」2019 誕生記念シンポジウムが開催されます。
准学校心理士資格認定委員会が企画し,テーマは「教育・保育フィールドで出会う新たな課題へのアプローチ ―(准)学校心理士をもつ若手教師・保育者の誕生とチャレンジ―」となっています。
話題提供者として,梅宮れいか(福島学院大学)・小泉令三(福岡教育大学)・緒方宏明(九州ルーテル学院大学)・齋藤諭(千葉工業大学)の四氏が登壇します。

ここでは「理系生徒への教育課題」「発達障害のある女子生徒の支援ニーズ」「社会性と情動の学習」「保護者対応」について,最新の実践や調査などを交えて紹介し, 教師や(准)学校心理士は,何を学び,どんな方策をとり,誰と連携してチームアプローチすべきかについて討論することになっています。
参加者には≪A:1 ポイント≫が付与されます。

このシンポジウムは,聖徳大学(千葉県松戸市)にて,2019年8月17日(土)〜18日(日)に開催される日本学校心理士会2019年度大会(テーマ: 公認心理師誕生の中での学校心理士の役割)の中で行われます。

参加申し込み等詳しくは,大会ホームページをご覧ください。
http://jasp2019.sakura-chiba.com/

この夏,お目にかかれることを楽しみにしております。
なお,次回の年次総会では准学校心理士の方々を対象にしたセミナー(ケースレポートの書き方等学校心理士資格取得へのガイダンス)を企画しています。


    <「学校心理士」の受験資格を得るためには以下の二つの要件が必要です>

@1条校(学校教育法)または幼稚園・保育所等の保育施設で3年間専門的な実務経験を有すること(*申請年度3月末に3年となるものは実務経験年数について,「見込」申請可)。
A准学校心理士として機構や士会(支部研修も含む)の研修会(種別A・B)に出席し,4年制大学 卒業者にあってはAポイントを含む5ポイント以上を,保育等専門学校や短大の卒業にあってはAポイントを含む10ポイント以上を取得すること。

*研修会の情報は,6月と12月に届くニューズレターや本ホームページに掲載されています。
 種別A・Bの研修会に参加し,ポイントを取得してください。

*研修会受講時には「IDカード」を持参し,受講後に得られる受講証または受講証明を
「研修会参加記録カード」に貼付してください。


<准学校心理士資格認定委員会より>


            准学校心理士・学校心理士の将来展望    [2019.5.27]

                          准学校心理士資格認定委員会委員長
                     大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)

1997年(平成9年)から始まった学校心理士認定事業はもうじき25年(四半世紀)を迎えます。
当時の学校心理学会・高野清純理事長の下,この制度の設計を開始して以来,実に長い年月が経ちました。
文字通り,歴史的検証に耐えて残ってきた制度と言っていいと思います。
だからこそ,これからの四半世紀を見据えた展望が重要になるのです。
すでに古きを過ぎた私ではなく,これからの時代を担う若い准学校心理士の方々に,
この制度の充実発展をお願いするいい機会となりました。

おそらくは学校等で教育職(校長・教諭・養護教諭等)以外で心理士として仕事をする場合には,国家資格としての公認心理師が必要となります。
このことは間違いないと思います。
ただもしこの前提が正しければ,しかもその養成が現実の必要数を越えているとすれば,国家資格たる公認心理師は スクールカウンセラー等の心理職の任用条件で必要であってもそれだけで十分とは言えません。
なぜならここでは需要を超えた供給過多(教員免許状と同じ)の資格認定が行われている可能性があるからです。
そもそも公認心理師は極めて高い汎用性の資格として制度設計されている以上は,これは論理的に必然であることかもしれません。
だとすれば公認心理師も何に強い,あるいはどの分野を専門としうるかという挙証をしなければ心理職として採用されるには十分ではなく, ここをどうするかが大きな問題となります。
ここで教育に強い「学校心理士」が出てきます。
つまり「公認心理師(学校心理士)」という表記ができることが極めて重要になると想定しています。
これからは,准学校心理士の皆さんには学校心理士の資格取得を目指していただき,学校心理士を有しない公認心理師との共働をしていただければと願っています。
古きを過ぎた委員長として私にとっては,自己責任として教育分野における国家資格創設(教育職員免許法の改正。場合によっては学校教育法本法の改正)として 「支援教諭(相談教諭)」の最後の力を振り絞ってみるつもりです
支援教諭(学校心理士)は,文字通り心理に強い教育職の表記であるからです。
私はまだまだ頑張るつもりですが,まだまだ未来のある若い皆さんには,ほどほどのお力添えをお願いしたいと思っております。


               学校心理士資格取得の準備        [2019.5.8]

                         准学校心理士資格認定委員会委員長
                     大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)

平成から令和へと切り替わりました。
いかがお過ごしですか。
この便りを読む頃には大型連休も終わり,日常業務等でご多忙になっているときだと思います。
みなさんは准学校心理士の資格を取得され,一番早ければ3年度には学校心理士資格取得の申請を行うことになります。
その詳細はこれから決めてゆく部分もありますが,それでも学校心理士資格認定で最も大事なものは「ケースレポートSV(意見書付き)」 であることには変わりありません。
学校心理士公式HPでは以下のように案内されています。

ケースレポートは,スーパーバイザーの指導を受けたケース(申請時直近5年以内のもの。ケースの実施期間の開始日又は終了日が含まれていれば可)について学校心理士の観点から書きます。
大学院の授業(実習など)の一環として行われた実践も可とします。図表や参考文献・引用文献もすべてを含めてA4サイズ縦用紙(片面縦40字×横25行)10枚とします。
スーパーバイザーの意見をどのように支援に生かしたかについての具体的な記述が必要です。
尚,作成要領は「手引き及び申請書」に,ケースレポートの例は「学校心理士学ガイドブック」に詳しく記載されています。

これだけ読んでも何のことだかハッキリとはわからないと思います。
今の段階では次の2点に注意してください。

1)日頃の職場実践で苦労されたケース(事例)を書き留めておいてください。
ここにはいわゆる5W1H(いつ,どこ,だれが,どのように)を詳しく記載します。
さらに自分はだれの助けを借りながらどのようなことをし,その結果どのようになったか,も書きます。
こうしたことは時間がたつと忘却の彼方の飛んで行ってしまいますので,十分気を付けてください。
この記録がケースレポート作成の資料になります。

2)遅くとも来年の年次大会には准学校心理士の方々に向けて「ケースレポート作成講座」を開設する予定ですので,ここに参加して具体的に「ケースレポート作成」のマナーを修得してください。


               准学校心理士のみなさんへ       [2019.4.1]

                         准学校心理士資格認定委員会委員長
                     大野精一(星槎大学大学院 教授・研究科長)

ご卒業そしてご就職おめでとうございます。

まず初めに,みなさんにお願いがあります。
短大や大学等を卒業し,就職等のためにご住所が変わられた方々が多くいらっしゃることと思います。
これからニューズレター等でさまざまなご案内等をお送りしますので,新住所をご一報ください。(「住所等変更連絡用紙」にご記入の上,FAXまたはE-mailにてお送り願います。)
よろしくお願いします。

みなさんがお勤めになる,あるいはこれからお勤めになるであろう,園や学校はいくつかの課題を抱え,その中で苦戦している子どもたちや保護者の方々が少なくありません。
その方々を支援するためには単に教育や保育の知識・スキルのみではなく,広く心理教育的援助サービスに関する専門的な知識・スキルが不可欠であり,それらの知識・スキルを生涯にわたりレベルアップしていく必要があります。

みなさんは教師・保育者という専門職 professionalを目指し,心理分野に強い保育・教育職を担保する「学校心理士」という資格取得に向けて「准学校心理士」のスタートも切りました。各自の勤める保育・教育の現場で日々精勤するとともに,そのために必要となる専門的な知識・スキルの研鑽のため,全国に多数いる先輩の学校心理士とともに学び合いましょう。そして教師・保育者として専門的実務経験を積んで学校心理士資格の取得にチャレンジしてください。みなさんを心から歓迎いたします。